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夕方になる頃には缶の山ができていた。
最近流行りのドラマを見ながら酒を煽る恭弥をリビングに残し俺は冷蔵庫のものを使って適当に飯を作る。
「チャーハン?」
いつの間にかキッチンに来ていた恭弥が俺の肩に顎を乗せて聞いてきた。
「そーだよ。文句あんなら食材増やせ。」
「俺作んねぇし。ヒロが毎日作ってくれんなら増やすわ。」
そう言いながら腰に手を回してくんのはやめろ。って言いたいが、エスカレートするのが目に見えるから言わねぇ。
無視無視。
「...今日も親父さんか?」
チャーハンを炒めながら聞く。腰に回った手が少し強張ったのが分かった。
「...懲りねぇよなアイツも。俺は継ぐ気なんて更々ねぇのに。」
手の力が少し弱くなったから皿によそう。んでフライパンをコンロの上にもどしてから恭弥の方を向く。
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