雨模様

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「お疲れ。」 突然振り返った俺を見てぼけっとしてる恭弥の頭を撫でる。サラッサラだな。 「うぉ」 「はぁ…お前さぁ。わかってんのかね。」 突然抱きついてきたから驚いて変な声出ちまった。しかも意味不明なこと言いやがるし。 「何がだよ。てか重い。」 こいつ自分がでかいってこと忘れてんのか?潰れるぞ? 「ヒロ。」 「んっ。そこで喋んなっ。」 耳元で名前囁かれるとか、心臓持たねぇ。そんな掠れた声で俺の名前呼ぶなよ。変な声出る。 「俺さ、ヒロと出会えてよかったよ。」 「…俺もよかったよ。」 最初はここまでこいつに落ちると思わなかった。いつの間にか必要な存在になってた。 ここまで好きになると思わなかった。 背中にある恭弥の手に答えるように俺も手を回した。普段こいつに抱きつかれることはあるけど答えたのは初めてだ。こんなんそんな簡単に出来るわけねぇ。 思いを伝えちまいそうになる。 本当に、出会えてよかったよ。恭弥。
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