プロローグ「少女への問いかけ」

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「初めまして私はルナ あなたもここの国の民なら私の名前くらい聞いたことあるでしょう?」 「聞いたことがあるもなにもスピリディアのお姫さんじゃないか! もしかして王様直々の依頼ってまさかお前を運ぶことか 変な依頼受けちまったなぁ…」 「お前じゃなくてルナ 名前くらい覚えて」 淡い水色の髪を風に揺らし月のモチーフの髪飾りがキラリと光る なに1つ表情変えず澄ました顔で青年を見下ろす 「はいはい、ルナお姫さん 俺の名前はリヒト リヒト・フルークガストだ よろしくな にしてもなんでお前を運ばないといけないんだよ シュトルフに用事でもあるのか?」 「あと1ヶ月後には世界樹の贄(にえ)にならないといけないからそれまで自分の人生の悔いのないようにしなさいってお父様に言われてね 悔いのないようにって言われても分からなくて…せめて贄になる前に王都から出て違う街を見てみたかったの」 荷車に乗ってルナに話しかけるリヒトに無表情で問いに答えるルナ 「それで俺に依頼したわけか なるほどな それにしてもさっきから贄って言ってるけどなんだよその贄って」 「はぁ?贄も知らないの? この世界にはマナってのがあるでしょ? そのマナは世界樹が生み出しているんだけど 何十年かに一度世界樹のマナを生み出す力が衰えてね そのうちマナを生み出せなくなるの そうなった時大変なことになるから 力が衰えかけている今、姫御子が生贄になって力を再び強くさせるのよ わかりやすく言えば人柱のようなものかしら?」
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