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「ルナは宿屋初めてか?」
「いいえ、一度だけ城から家出して泊まったことならあるわ」
ルナの言葉に驚いた顔をするリヒト
まさか大事に育てられている王家の一人娘が家出をするなんて思ってもみなかったからだ
「お、おいおい…またそりゃなんで家出したんだよ」
「…その話なら部屋で話してあげるからさっさと受付をしなさい」
なぜか上から目線の命令口調にもう慣れてしまったリヒトは「はいはい」と軽く相槌をうって宿屋に入り、受付を済ませた
「部屋の鍵もらったから部屋に行くぞ」
コクリと頷いてルナはリヒトの後を追う
二階の階段を上がってすぐの部屋だ
どうやら宿屋は満員らしくリヒトとルナは同じ部屋になったらしい
「あなたと相部屋なんて…まぁいいわ」
愚痴を言っても今更別の部屋に変えてもらえるわけでもないので仕方なくリヒトと同じ部屋に入っていった
「悪いな、俺と同じ部屋で
なんなら俺は別の宿屋に行くが?」
「何バカなこと言ってるの
あなたの依頼に私を護衛することも含まれてるのよ
同じ建物内ならまだしも他の宿屋に行くなんて論外だわ
私から離れるなんて許さないから」
そうきっぱりと言いつつもゆっくりと椅子に腰をかける
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