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雪が轟々と吹雪続ける広い荒野。 寒さに打たれ、命を落とす者後を絶たず。 一時は居住を止む無く諦めた。 しかし人々は寒さに負けんとある国家を創り上げた。 その名はデコラ国。 女王メガエラの納める国家である。 果物屋や洋服屋に人々が絶えず集い賑わう繁華街。 威勢の良い売り言葉が全方位から響き渡る。 しかしその声は必ずしも人間のものとは限らない。 「いらっしゃい!新鮮な野菜はいかが!?」 「そうだねぇ。もっと安くならない?」 「ならおまけでキャベツ1玉つけてあげるよ!」 「よし、買った!エイラんとこのロボットは話が早いねぇ」 主婦相手に接客していたのは、”ロボット”。 そう、この世界では数多くのロボットが生活に干渉している。 家庭用のロボットや移動手段、接客。 靴や文房具などの人型以外のものも、ありとあらゆるものがロボット化されているのだ。 賑わうこの場所はセトラと呼ばれている。 デコラ国の中心に当たる地域。 活気の良いロボットたちを眺めながら二人の男がセトルにそびえ立つ城を目指して歩いていた。 「こんな世の中じゃ人間は窮屈だねー。仕事も選びようがない。」 「なんだヒュース、お前やりたいことでもあったのか?」 「警察官」 「笑わせるな。お前はどちらかといえば犯罪者だろ」
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