0人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
過去①
学生時代。
私も世の中の女性と同じように勉学に励み部活動に精を出していた10代。
進学校に進学してしまったおかげで勉強に追われていた三年間。とても濃い仲間とともに走り抜けた。
あの頃は学校が私の世界の全てで、生き甲斐だった。今思えば、貴重な青春時代だ。
初めて人を好きになったのは高校一年生の時、同じ部活の男の子だった。喋りたがりが多い部の中で一人窓際の椅子を定位置としていつも音楽を聴いていた黒縁メガネの彼。どこかミステリアスな雰囲気を持つ大人びた感じが他の男子と比べてとても魅力的に見えた。
好きだと伝えたのは夏だった。
部活の友達に相談したりは妙に気恥ずかしく、本当に仲の良い中学からの友達にこっそり話すだけだった。
黒縁メガネの彼は私の告白にそっと首を振り、
友達としか見れないといった。
断られたことは悲しかったがショック、とはまた違った感情だった。中学からの友達ー綾(アヤ)とカラオケに行き、激しい曲をバンバン歌い、一時間もすれば二人で笑い話で盛り上がっていた。
今思えば、黒縁メガネの彼は確かに好きではあったが彼に恋をしている自分に酔っていただけなのかもしれない。
そうでなければ、あんな簡単に立ち直れるはずないのだから。
その後、黒縁メガネの彼とは部活内で以前と変わらぬ仲の良さで三年間共に過ごした。
どちらかというと振られてからの方がよく喋りメールをし、仲が深まっていた気がする。
最初のコメントを投稿しよう!