1 私の王子様

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私達が初めて出会ったのは 私、永友(ながとも)ひよりが3歳、 彼、一条暁(いちじょうあきら)君が11歳の時。 物心がついた時から暁君は隣に住んでいた。 「あきら君は、えほんのおうじさまみたい!」 「ありがとう」 「ひよ、あきら君のおよめさんになる!」 「うれしいな」 「じゃあ、やくそく!ゆびきりげんまん!」 少し茶色がかって少しカールの掛かった髪。 高い背にスラリと伸びている手足。 冠を乗せたら完全に王子様。 私は小さい頃から暁君に夢中だった。 「ひよりちゃんは好きな人いるの?」 「うん……」 「えー!?誰ー!?」 「お隣に住んでるお兄さん……」 小学生の頃、同級生の女子に聞かれ始めた時には既にこう答えていた。 私の初恋は、勿論暁君。 暁君は、頭脳明晰で、眉目秀麗で、温和で、いつも優しい。 非の打ち所なんて一つもない、本当に絵本の中から出てきたくらい完璧な彼。 隣に住む8歳上の暁君は私にはずっと王子様なの。
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