星に祈りを

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 もっと星人。それが私のあだ名。  もっと可愛かったら。  もっと目が大きかったら。もっと鼻が高かったら。  もっと色が白かったら。もっと華奢だったら。もっと痩せていたら。  もっともっともっと…そんなことばかり言ってるから、周囲は若干呆れ顔。  でもただ一人、愚痴る私に付き合ってくれる人がいた。  幼馴染の浩二。 「愛美は面白いな! そんなに何も持ってないなんて逆に奇跡!」  どこか茶化す風に、でも馬鹿にした態度なんて全然なくて、いつも笑って聞いてくれた。  浩二は背が高くて、小学校からやってるサッカーがすごく上手い。  努力家だから、勉強だってできるし、弟妹がいるから、面倒見もよく優しい。  高校でだって、だから人気者だ。わざわざ教室にまで見に来る上級生の女子もいる。  実際、告白されるところも、何度も見た。  肝心の本人は、色恋に全く興味がないみたいで、 「俺、そういうのわかんないから」とか 「今はサッカーに集中したいから」とか言って、断っていたけれど。 「浩二って、本当完璧だよな! モテるのわかるわ~」  同級生にからかわれたって、照れ臭そうに頭をかくだけで、居心地悪そうにしている。  そんな浩二が、実は私も大好きだった。
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