趣味

2/14
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
 秋の快晴の日曜日……  マサヤ(中学三年生)は、女友達のカオル(中学一年生)を連れて帰宅した。  すぐに、二階の自室に入ると、本棚から一冊のアルバムを取り、テーブルに置いて開いた。  そこには、マサヤがカメラを始めた頃の作品が収められていた。  それを見てカオルは、 「へー、マサヤ君て、カメラが趣味だったのね……」 「うん、そうだよ。中一の頃からね」 「だけど……どうして……?」  カオルは、一枚一枚の写真を見ながら、怪訝(けげん)に思った。  そのアルバムには、スイカやリンゴやタイ焼の写真が並んでいるのだが、どの写真も、半分が無い物ばかりだったからだ。 「だって、普通の写真を撮っても仕方ないだろう」
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!