永遠の星

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「人間は、脆くなるのも早いからね。いつかは、別れがくる」 「……でも、想いは不変です。変わらないものは、あります」  ――それが、小夜子が欲しかった、永遠の形。  だが、少女は揺れない。 「たとえ星になったって、不死になったって、常に想うなんて不可能さ。記憶なんて、特に哀れなものだよ」 「あの方に限って、そんなことはありません!」  まるで事務作業のような少女の返答に、小夜子は甲高い声で反抗する。もし教師や大人がいれば、たしなめられるような激情で。 「そんな、ことは……」  ――だが自覚しているからこそ、小夜子の語気は弱まる。  ぎゅっと、襟元をすがるようにつかみ、割り切れない感情を必死につかもうとする。けれど、存在しない想いだからこそ、つかめずに不安になる。 「でも、では、この胸の苦しみを……どうすれば、いいのです」  ――小夜子は、自分の中の悲しみが、永遠でないことを恐れている。 「……無くなったら、互いに寂しいかもね。あんな遠い星だって、そうなんだからさ」 「……心配、してくださっているのですか」 「年をとると、話好きになるの。でしょ?」  ごまかすように、そう答える少女。  ……誰かに話すことで、気持ちの整理をつけられるかもしれない。そう感じた小夜子は、想うままの今を、口にする。 「――急なこと、だったのです」  先ほどまで、熱に浮かされていた、その理由を。
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