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僕はアリスを抱き抱えて震える声で呟いた。
「アリス…タスケテ。僕のイノチはいらないから。」
「……ホントかい?」
シロウサギの声…。
「…オマエナンカニ…アリスヲ,タスケラレル…ワケガナイ」
「助けられるさ!!」
---ドウヤッテ?---
僕は胸がズキンッと痛んだ。 助ける方法なんて…ない。
ホントはないんだ。
でも…
アリスを助けたい。
助けたいんだ。
「シロウサギ…力を貸してくれよ。」
----お前のイノチ----
「え……?」
--お前のイノチとヒキカエに--
--チカラ貸す--
「分かった。」
アリスが助かるなら
僕のイノチはいらない。
アリスがいない世界には
僕の存在価値はない。
アリス。
今,助けるからね。
怖くないから
泣いちゃ駄目だよ。
僕は小さく頷くシロウサギと共に,暗闇の中の希望へ進んだ。
間違ってなんかない
迷わず,進むんだ
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