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降矢をなんとなく気になりながら1週間が過ぎた頃、2番テーブルから指名が来た。
今夜もあちこちのテーブルに顔を出している。
2番テーブルへ行くと降矢が一人で座っていた。
「こんばんは。貴方は確か河上様の……」
言いながら隣に座ると、降矢は少し横にずれた。
「降矢です。先日は失礼しました」
俯き加減で話している上に、また頭を下げる。
「いいえ、また来て下さったんですね。ご指名ありがとうございます。」
グラスに氷を入れていく。
「いきなりで申し訳ないんですけど、この後……アフターっていうんですか、空いてますか」
本当は常連からのアフターしか受け入れない。
彼はまだ2回目だと思ったが今夜はフリーだ。この1週間気になる人物だったのでOKを出した。
降矢はホッとして「一杯だけいただいて、外で待ってます」と頬を朱色に染め微笑んだ。
不覚にも男の笑顔にドキッとした。
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