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「はぁ~、やっと終わったぁ」
安奈ちゃんが、目の前で大きく伸びをする。
そんな彼女に「お疲れさま」と声を掛けると、
「夏海さんこそ、お疲れさまです」と、疲れた顔が戻ってくる。
そして、
「毎年ながら、ホント、ロマンチックの欠片も感じられなくなりますよね」
クルッと首を回しながら、ボヤかれた。
ところが、次の瞬間。
ハッとした彼女が勢いよく椅子の背もたれから離れて、私を振り返った。
「夏海さん、早く帰らなきゃ! 初めて二人でのイブでしょ?
旦那さん、待ってるんじゃないんですか?」
響くんと別れてから彼女は、なんとなく今までよりもずっと
周囲への気配りが、細やかになったように見える。
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