第8章 初めてのクリスマス(つづき)

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だから、 「うん。じゃあ、お先に失礼させてもらおうかな」 彼女の配慮に、私も素直に甘えさせてもらうことにした。 しかし、 「そうですよ。 早く帰って、ピンク色のラブラブのイブを楽しんでくださいね。 でも、明日は来てくださいよ」 安奈ちゃん、コメントが、ちょっとおじさん入ってる。 週末まであと一日を残っていると釘を刺された言葉に、 淡い苦笑が頷く私の口元に浮かぶ。 だが、声にしたのは短いお礼の言葉。 そして私は、バッグを引き出しから取り出し、立ち上がった。 「じゃあ、お先に失礼します」 私の声に、疲れた顔で帰り支度をする面々から「お疲れ」の声が返される。 そして、ヒラヒラ手を振る安奈ちゃんに手を振り返し、 私は、一足先にオフィスを後にした。
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