第8章 初めてのクリスマス(つづき)

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オフィスを出た街中は、どこもイブの賑わいの真っ只中だった。 そして、ようやく私が自宅玄関に辿り着いたのは、十時半を回ったところ。 「ただいま」 玄関からそっと声をかけ、ロックを確認して、リビングに向かう。 ところが、まだ煌々と灯りの点いた部屋に入り、私は少し驚いた。 ソファの上では、穏やかな顔をして、彼がうたた寝をしている。 しかも、真っ赤な服のサンタさん。 フフッ……。 あまりにも可愛いその姿に、私は、思わずスマホを取り出し シャッターを切った。 だが、少し焦っていただけにシャッター音を切り忘れ、 それに気付いた彼が目を覚ます。 「あっ、お帰り。あれ? 僕、寝てた」
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