21人が本棚に入れています
本棚に追加
オフィスを出た街中は、どこもイブの賑わいの真っ只中だった。
そして、ようやく私が自宅玄関に辿り着いたのは、十時半を回ったところ。
「ただいま」
玄関からそっと声をかけ、ロックを確認して、リビングに向かう。
ところが、まだ煌々と灯りの点いた部屋に入り、私は少し驚いた。
ソファの上では、穏やかな顔をして、彼がうたた寝をしている。
しかも、真っ赤な服のサンタさん。
フフッ……。
あまりにも可愛いその姿に、私は、思わずスマホを取り出し
シャッターを切った。
だが、少し焦っていただけにシャッター音を切り忘れ、
それに気付いた彼が目を覚ます。
「あっ、お帰り。あれ? 僕、寝てた」
最初のコメントを投稿しよう!