第8章 初めてのクリスマス(つづき)

15/24
前へ
/38ページ
次へ
サンタ姿で、まだどこかぼんやりする彼は、まるで少年のよう。 そんな可愛い彼に歩み寄り、私は小さく唇を啄んだ。 「ただいま、私のサンタさん」 ところが、なぜか彼は、ちょっと不服そうに俯く。 そして、 「玄関で迎えて、驚かすつもりだったのに……」 拗ねたように口を尖らせる彼の唇を、私は、もう一度小さく啄んだ。 「驚いたよ。それに、すごく嬉しかった。 だから、そのままでちょっと待っててくれる?  急いで、お風呂に入ってくるから」 うん。 それでも、まだどこか不満そうな彼にまたチュッとキスをして、 私は、着替えに寝室へと向かった。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加