第8章 初めてのクリスマス(つづき)

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「ねぇ、冠くん。どのくらいのものにしよっか」 私は、ちょっと呆然とする彼の手を引き、光を散りばめたように輝く ツリーを眺めていく。 「ツリーは、白と緑と、どっちがいい?」 賑やかで、楽しそうなクリスマスソングが流れる中、 私たちは、キラキラと幸せを象って輝くツリーやオーナメントを眺めて歩く。 そして、このたくさんのキラキラの中から 二人で一緒に選んで、私たちの幸せを象るツリーを作ろう。 そう思いながら目の前の輝きを見る私の胸は、 ウキウキやワクワクよりも、ほんわかとした温かい幸せに包まれる。 そして彼もまた、初めに映した戸惑いも 手を繋ぎ一緒にアレコレと眺めていく内に次第に消え、 いつしか楽しそうに私たちのキラキラの幸せを選び始めてくれた。
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