第8章 初めてのクリスマス(つづき)

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暗闇の中、青色の球体オーナメントが無色の電気の光を受け 真っ白なツリーにキラキラと青く光を反射して、すごく幻想的。 しかし、この季節には、街中のどこにも溢れるクリスマスツリー。 だから、もちろん僕も生れて初めて見るわけではない。 しかし、幼稚園というものに行かなかった僕にとって、 自分たちで飾ったツリーが、目の前で輝くのを見るのは初めてのこと。 そしてそれは、僕が想像した以上に綺麗で暖かく、ロマンチックな空気を 作るものだった。 「やっぱり、冠くんの言う通り。青いオーナメントにして、良かったね」 僕の隣に座った彼女に、優しく言われる。 だから僕は、その彼女を膝の間に挟んで背中からキュッと抱きしめた。
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