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「男性がね、なかなか『好き』って言ってくれないこと」
「えっ……」
驚いたあまり、思わず僕は顔を上げて彼女を見詰めた。
すると、そんな彼女が小さく体を反転させて、僕の頬を片手で包んでくれる。
「でも冠くんは、いつも、いっぱい私に
『好き』って、言ってくれるでしょ?」
「うん……」
「それにね、世の男性は、エッチはしたがっても、
それ以外の時に手を繋いだり、好きっていうスキンシップを
なかなかしてくれないって。
でも冠くんは、いつもこうやって、私とくっ付いてくれるでしょ?」
「うん……」
「つまり、世の中の女性が、みんな凄くして欲しくて堪らないことを
冠くんは、全部いつもしてくれる」
「でもそれは、ナッちゃんが好きだから当たり前でしょ?」
しかし、「冠くん」と、小さくかぶりを振った彼女は、
優しく僕の頬を撫でた。
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