酒とタバコとギャンブルがやめられない俺を救ってくれたのは…

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「お、さすが若いだけあって勘がいいですね。おっしゃる通りアニマル療法ですよ。お待ちいただいてる間にお母様に連絡したところ子猫の迎え入れに問題ないそうです。むしろ大喜びでした。お母様って猫好きなんですねぇ。なので早速近所の動物病院から里親募集中の子猫をもらってきました。」 「いやいやいやいや、ちょっと!猫なんか飼いませんよ?ちゃんと説明してください!なんで酒とタバコとギャンブルの相談にきて猫を飼わされる事になるんですか!?俺、面倒なんか見れません。それに猫を飼うのだってタダじゃない!餌代や病院代だってかかるんだ。俺、そんな金ないですから!」 「そう言われましてもねぇ。さっき受けてもらった心と行動のチェックシートの診断結果で、そう出たんですよ。この患者さんの治療法は猫を飼う事だって。なんだったら見てみます?コレ」 そう言って目の前に出された用紙には所々、子猫のかじった歯型がついていたが確かに書いてあった。 『猫を飼え、それで解決。』 と。 俺は脱力した。 母親に半泣きで頼まれたからわざわざ来たくもない心療内科にやってきたというのに。 短い問診とインチキ心理テストをやらされて、挙句に二時間も待たされた結果が猫を飼えとはどういう事なんだ。 もういやだ…帰ろう。 もちろん猫はいらない。 そんなもので治る訳がない。 そもそも酒もタバコもギャンブルもやめる気はない。 俺の人生だ、好きにさせてくれ。 俺がうなだれて頭を抱えていると、     
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