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ミー太郎が来てから毎日がお祭り騒ぎだ。
ミー太郎のせいで慢性的な寝不足でも会社には、なんとか遅刻だけはすまいと頑張っていた分、週末は泥のように眠る。
さすがにその時だけは母親がかわりにミー太郎の世話をしてくれた。
お昼頃に俺がやっと起きると、ミー太郎はそれまで母親に抱っこされていたのを、ぷいっと振り切り俺の元に猛ダッシュでやってくる。
そして大音量のゴロゴロ音を発し飛びついてきたかと思えば、そのまま俺の頭までよじ登り寝癖だらけの髪をザリザリと毛づくろいをしてくれるのだ。
ああ、手がかかる。
だけど大変な分だけ愛おしい。
やんちゃで甘ったれで世界で一番可愛いミー太郎。
猫がこんなに可愛いなんて聞いてない。
そんなミー太郎を置いてギャンブルなんぞに行けるかって話だ。
できる事なら会社も辞めて一日中ミー太郎と一緒にいたい。
だが、行かなければならない。
この先ミー太郎が年をとって病気になった時、金が無いから治療ができませんなんて事は絶対にいやだ。
だから俺は仕事に行く。
年下の上司に役立たずと言われようがなんだろうが、俺は一生懸命働くのだ。
◆
そんなこんなで月日は流れ、子猫だったミー太郎も3才になったし、俺も33才になった。
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