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初めての結婚記念日のクライマックスは、まだ始まったばかり。
そして、それを一緒に味わいたくてここに居るのに、
ほんのわずか離れることが、不安になってしまったのだろうか。
だが、そんな彼がいじらしく、すごく可愛い。
だから今度は私が、彼の唇を啄んだ。
「うん、待ってる。
大好きな冠くんに、ギュッてして欲しいから、待ってるね」
「うん。僕も、ナッちゃんギュッてしたい」
頷いて、コツンと額を合わせた彼の腕がゆっくりと緩められる。
そして、
「いってらっしゃい」
もう一度、小さくキスをして促すと、「うん」と頷いた彼が
そっと私から離れていった。
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