第9章 Anniversary(つづき)

10/24
前へ
/38ページ
次へ
初めての結婚記念日のクライマックスは、まだ始まったばかり。 そして、それを一緒に味わいたくてここに居るのに、 ほんのわずか離れることが、不安になってしまったのだろうか。 だが、そんな彼がいじらしく、すごく可愛い。 だから今度は私が、彼の唇を啄んだ。 「うん、待ってる。 大好きな冠くんに、ギュッてして欲しいから、待ってるね」 「うん。僕も、ナッちゃんギュッてしたい」 頷いて、コツンと額を合わせた彼の腕がゆっくりと緩められる。 そして、 「いってらっしゃい」 もう一度、小さくキスをして促すと、「うん」と頷いた彼が そっと私から離れていった。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加