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あの日と同じに、彼がカードキーをエレベーターボーイに見せると、
丁寧に会釈をして、私たちを高層階へと運んでいく。
そして、やっぱり足が埋まりそうなフカフカの絨毯の敷き詰められた
廊下に降り、大パノラマの広がる部屋へと入ると、
真っ白なバラのブーケが飾られたダイニングセットの上に、
冷やされたシャンパンが用意されていた。
「ナッちゃん、リビングで待ってて」
彼に促されるままに、私はリビングへと向かった。
そして、同じく真っ白なブーケがテーブルに飾られた空間で、
フカフカのソファに腰かけて間もなく、彼が、二つのグラスを満たした
シャンパンと小さな箱を手にやって来る。
そして隣に座り、グラスを渡されるとすぐに、彼がニッコリと微笑んだ。
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