第9章 Anniversary(つづき)

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フフッ……。 優しい甘さが口の中に広がり、思わず細く笑いが零れる。 そして私も、同じようにグラスを置いて 彼の手にある小箱から一粒摘み上げると、彼の口元にそれを運んだ。 「はい、冠くんも。あ~ん」 あ~ん。 素直に開いた彼の口の中にそっと落とすと、 彼の顔に大好きなスマイルが広がる。 そして、 「ナッちゃん」 「冠くん」 私たちは、ゆっくりと互いの顔を寄せ合い、静かに唇を重ねた。 ゆったりとしたキスを重ねながら、彼の手が、そっと私を抱き寄せる。 その胸に、寄り添うように体を預けて、静かなキスを味わい続けた。 「ナッちゃん、僕の大事なナッちゃん」 「誰よりも大好きな、冠くん」 ゆっくりと解いたキスの合間に、互いに見つめ合い、想いを言葉に乗せる。
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