第9章 Anniversary(つづき)

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そして、再び静かに唇を重ねた彼が、それを解いて私の左手をそっと取った。 「ナッちゃん、幸せ?」 薬指に光る指輪を小さく撫でて、尋ねられる。 「うん。冠くんと結婚できて、世界一しあわせ。冠くんは?」 「僕は、ナッちゃんと出会えた時から世界一しあわせ。 だから結婚した今は、言葉じゃ言えないくらい、ものすごく幸せ」 そして、「ナッちゃん」と小さく呟く唇が、再び私のそれに重なる。 ところが、 「冠くん?」 今度、キスを解いた彼の瞳が小さく揺れている。 それにちょっと首を傾げると、微かに上目遣いになった彼が 恥ずかしそうに言ってきた。 「本当は、このままエッチしちゃいたいけど、 そうしたら、前の時と同じに夢中になっちゃいそうで。 でも僕、今日は、ゆっくりナッちゃんと愛し合いたいから。 だからお風呂も、本当は一緒がいいけど、別にしてもいい?」
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