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そして、再び静かに唇を重ねた彼が、それを解いて私の左手をそっと取った。
「ナッちゃん、幸せ?」
薬指に光る指輪を小さく撫でて、尋ねられる。
「うん。冠くんと結婚できて、世界一しあわせ。冠くんは?」
「僕は、ナッちゃんと出会えた時から世界一しあわせ。
だから結婚した今は、言葉じゃ言えないくらい、ものすごく幸せ」
そして、「ナッちゃん」と小さく呟く唇が、再び私のそれに重なる。
ところが、
「冠くん?」
今度、キスを解いた彼の瞳が小さく揺れている。
それにちょっと首を傾げると、微かに上目遣いになった彼が
恥ずかしそうに言ってきた。
「本当は、このままエッチしちゃいたいけど、
そうしたら、前の時と同じに夢中になっちゃいそうで。
でも僕、今日は、ゆっくりナッちゃんと愛し合いたいから。
だからお風呂も、本当は一緒がいいけど、別にしてもいい?」
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