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その日の夜。
空は自室でパソコンに向かい、
日課である医療についてインターネットで勉強していた。
空の頭の中には
常に妹の鈴がいた。
空(これでもない….。)
カチッカチッ
静かな部屋にマウスをクリックする音だけがしていた。
空(違う。こんな症状じゃない。)
カチッカチッ
空(…。違う…。)
カチッカチッ
空「あぁあ!!」
苛立ち混じりの声で空は叫んだ。
空「なんで、見つからないんだよ!もう毎日探して本も漁って全部読んだ!なのに…なんで…。」
調べていたのは妹、鈴の症状についてだった。
四年前、交通事故により
軽傷ながらも意識を取り戻さない鈴。
寝たきりの入院生活を送りながらも四年ほど経っても身体の変化が見られないのだ。
四年前の交通事故から鈴の成長は止まってしまったように見えた。
空「ふぅ。ふぅ。ふぅー。」
落ち着きを取り戻した空は続けてパソコンを睨みつけ操作し始めた。
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