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全て確認を終えた時、大きな安堵の息がもれた。
写真は全て里奈だった。優子は一人も出て来なかった。これから投稿したいと思っている写真ばかりがずらりと並んでいたのだ。
「良かった。」
これにコメントをつければ里菜そのものではないか。ひとまず安心した。
やはり携帯電話が壊れている。再び電源を切ると画面から顔を上げ携帯ショップに向かって歩き始めた。
何も解決していないけれど、すぐそこまで歩けばこの不安な気持ちも終わる。何より、里奈を止めなくて済むと考えた。
携帯ショップは平日の午前中ということもあって、比較的空いていた。年配の夫婦が前にいて新しく変えた機種の説明を受けていた。
私はそれを時々ながめ、店内で流れているテレビのワイドショーを見ていた。コメンテーターが難しい顔で事件の見解を述べている。
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