夜空に歌え

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真夜中とは言えないこんな時間に、私は歌う。 無関心な人の群れに抗うように、私はそこに立っていた。 [本日の営業は終了しました] 丁寧な字で書かれた貼り紙が剥がれそうな小さな書店の入り口。 そこが、あたしの居場所。 親の目を盗んで家を抜け出し、ギターひとつの身で歌う。 小金なんか要らないし、冷やかしの声は無視をする。 やっぱり、この時間は少し冷える。 5月の夜空が、あたしに触れる。
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