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第二章
「うわぁっ」
瞬間僕は勢い良く飛び起きた。
そこはいつも通り僕の部屋だった。
「……夢?!」
その時ようやく僕は夢を観ていたのだとわかった。
額や背中は汗でグッショリだった。
部屋の時計を見ると、いつもより少し早かったので、汗で濡れたパジャマを着替えることにした。
「なんであんな夢を…」
そんなことを考えながら着替えていると、不意にドアを叩く音がした。
`コンコン'
「はい」
返事をしながら時計を確認するといつもの時間になっていた。
「失礼します」
そう言いながら一人の女性がドアの向こうから表れた。
「おはようございます、将紀さん。今日は早いんですね。」
「おはよう、千奈さん。なんか目が覚めたからね。」
この人は、大場千奈さん。家に住み込みで働いてる巫女さんの一人で、家にはあと二人住み込みの巫女さんがいる。
ちなみに僕の家は、この守祈町に代々続く神社で、今は祖父が神主をやっている。
「今日は雨かしら。」
「何でそうなるんですか?」
千奈さんがそんなことを言うものだから、つい聞き返してしまった。
「それは将紀さんの普段が普段ですから。」
答えた千奈さんの笑顔が普段の僕を物語っていた。
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