3,疑問点

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乾佐親子が去っていった後の、探偵社は仕事があるのか無いのか不安になりそうなほど、のんびりとして静かだった。 だが、その静けさを壊すように探偵社のドアが開いた。 「お、おいっ!諒ちゃん、諒ちゃんっ!」 「あ?あぁ、吉川さん。どうした?」 探偵社に駆け込んできたのは、お向かいの吉川の大黒柱。今日は休みだったのか、ラフな格好をしていた。 「お客だよっ、お客さんっ!」 「え?」 吉川の後ろには確かに、女の人がいた。杏子がすぐに女の人を案内する。諒介は吉川と一言、二言会話し帰らせた。諒介が女の人の依頼を聞くために、合流する。女の人は黒髪で少しウェーブがかっている、地味目ないわゆる清楚系女子だ。 「すみません・・・突然来てしまって」 「大丈夫ですよ!むしろ、ありがたかったです」 「え?」 「ほら、ご覧の通り暇な探偵社ですから」 諒介はここぞとばかりにべらべらと喋り始める。ランがため息をついた。そこへ、お茶の用意が出来た杏子が、そろそろとお茶をこぼさないように運んでくる。 「で、どのようなご依頼でしょう?」 諒介がべらべらと喋っているのを聞いていたようで、杏子自ら質問した。すると、女の人は少し戸惑ってだが、深々と頭を下げた。 「お願いします、彼の妻子を見つけてください!」 「「「え?」」」
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