5,とりあえず最終章

3/7

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
諒介達、三人はとくに二人を、止めるわけでもなくただ後ろについて歩いていた。そして、解決策が見つからないまま、乾佐家に着いてしまったのだ。 「ちょ、ほんとにどうすんのよ、諒介!?」 「うるせぇな、黙ってろ!」 「二人とも落ち着いて」 諒介と杏子が一触即発の空気になりかけたが、ランが二人を諭した。美琴が自前の鍵で玄関を開けると、茜が玄関に見事なスライディングで滑り込んだ。 「美琴、こんな夜遅くまで何をしていたの!?」 「・・・あんたに関係ないでしょ」 小学生とは思えないほどの、反抗っぷりの美琴。そして茜は諒介達、三人と小豆を見るなりあからさまに嫌な顔をした。 「・・・なんの用ですか、小豆はもういいって言いましたよね?」 「はぁぁ?」 茜の言葉に、杏子の収まっていたはずの怒りが沸いてくる。その杏子の様子をランが、腹を抱えてひっそりと笑った。 「実は・・・」 そんな二人を無視して、諒介が茜に説明しようと前に出た、そのとき。 「旦那さん、ご在宅でしょうか」 「え?えぇ、いますけど。誰、あなた」 つぐみを茜は、諒介達の仲間の探偵だと思い込んでいるようだ。 「まぁ、いいわ!とにかく、小豆と共にお引き取りください」 ピシャリと扉を閉めようとした茜に、そうはさせまいとつぐみが扉を食い止める。 「ちょっと、失礼します」 「はぁ!?」 つぐみは茜を押し退け、乾佐家に入っていく。茜が戸惑いながらも、つぐみを追いかけていく。その後ろに何が起きているのか分かっていないであろう、小豆、美琴が続く。諒介達、三人は一番最後だ。 「ねぇ!ほんとに止めないとまずくない!?」 「そうかな?警察沙汰になる前に止めればいいんじゃないか?」 「なんでラン君はそんなに能天気かなぁ!?」 「こういう時の杏子のヘタレさは、いつ直るのかなぁ?」 あぁ言えばこう言い返されてしまった。杏子はうまい言葉が見つからず、ランを睨み付けるだけで精一杯だ。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加