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リビングでテレビを見ながらくつろいでいる、美琴の父、直之を発見した。小豆は嬉しさのあまりか、直之に飛び付く。
「うわぁぁっ!!・・・って、小豆?なんでお前ここに?」
直之は小豆を一通り撫でたあと、顔をあげ今の状況を確認し、そしてつぐみを見つけると、口をパクパクさせて硬直した。
「直之さん、お久し振りです」
「つ・・・!いや、あんた誰だ!」
「あら、お忘れなんですか?私と楽しんだ時間を?」
色気がありながらも、恐怖を感じられるつぐみの笑みは、直之だけでなく諒介達三人とも体を小さくした。
「し、知らない!なんだ、それは!?」
どうやら直之はこの状況でも、しらをきるつもりらしい。だが、蛇に睨まれた蛙のように体を動かさない。
「知らない振りをしようったって、誤魔化されないんだから!ねぇ、探偵さん?」
「・・・はい!?」
突然話を振られ、諒介は完全に気を抜いていてすっとんきょうな声が出た。
「そうなのか、探偵!?」
「いや、あの、その・・・」
諒介は言葉を濁した。それもそのはず、直之の浮気調査はまだ開始していない。つまりは、証拠となる品が一切無いのだ。
「ほらな!答えられないんじゃないか!」
直之は勝ち誇ったように、知らない振りをして笑顔までつぐみに向けてきた。
「・・・やめよう、こんなこと」
今まで黙っていた茜が口を開いた。
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