1,探偵の日常

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「アハハハハハ!!」 諒介と杏子が帰った場所は松原探偵社。二人は松原探偵社の社員なのだ。そして、高々に笑い声をあげている男は、諒介の電話相手でもあった硯ラン。 「いやぁ、見事に出し抜かれたものだねぇ!たかがいぬ一匹に!」 「・・・ウッセ」 そう、諒介と杏子が追いかけていたのはゴールデンレトリバー。ランは、何がそんなに面白いのかと思うほど笑い続けている。笑わい続けいているランを、諒介と杏子は眉間にしわをよせる。 「で?あのバカ犬はどこに行ったんだ?お前の事だから見当くらいついてんだろ?」 「諒介、腹立つけどバカ犬呼ばわりはやめて。『小豆』って名前がついてんだから」 杏子が諒介をたしなめる。ランは、まだにやにやしながら愛用のパソコンがあるデスクにすわる。 「まぁ、あの犬に『小豆』は似合わないね。せめて、『大豆』だろう」 「あ、いいな!それ!」 ランは、カタカタとキーボードを打っていき、エンターキーをカチッと押す。パソコンの画面には地図を基礎として、バカ犬こと小豆に関する情報が乱雑に配置されている。 「あの犬の場所はここだ!」 ランはまたパソコンを操作し、エンターキーを押した。 操作が終わるとランは、誇らしげにパソコンの画面を見せてくる。画面の地図には、赤い目印がついている。 「えーっと、・・・ここは?」 「何の変鉄もない、ただの住宅街だ」 ランはデスクから部屋の真ん中においてあるソファーに移動する。諒介と杏子は無言でうなずきあうと、出掛ける準備をした。 「待って、僕も行く」 「「えっ?」」 ランの申し出に二人はポカンとする。元々ランは、肉体労働が嫌いだ。そのランが行くと言えば戸惑わない奴はいないだろう。 「え、え?ラン君、わかってる?犬探しに行くんだよ?走って追いかけるんだよ?出来る?」 「・・・運動音痴の杏子に言われたくない」 杏子はランに指摘され、うっと言葉につまる。諒介はチャンスだと言わんばかりに、杏子とランの首根っこをつかんで小豆がいると思われる現場に直行した。
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