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「これで良かったのかな・・・?」
「じゃあ、これ以上俺達は何をしろと?」
モヤモヤした気持ちを素直に吐き出した杏子に、諒介が冷たく聞くと杏子は口ごもってしまった。
「いや、えっと・・・、多分無いね」
「だろ?」
「でも・・・心配だよ」
杏子が名残惜しそうに、振り返っては乾佐家を見つめている。そこにランがため息をついた。
「心配なんてただの自己満足じゃないか。心配するなら行動しないと。・・・まぁ、君が行ったところで何かが変わるわけでもないけどね」
「そんなの分かんないよ!?」
ランの言い方にムッと来た杏子は、ランに食いぎみで 否定した。またランが鼻で笑った。
「じゃあ、証明してくれよ。今すぐ乾佐家に戻って何か変えてきなよ」
「そ、れは・・・!」
杏子は口ごもった。杏子自身、あの乾佐家夫婦は異様で関わりたくないと思ってしまっていたからだ。
「・・・お前らその辺にしとけよ。取り返しのつかないことになりそうだ」
「取り返しのつかないこと?なんだい、それは?」
「お前と杏子が喧嘩別れになること」
サラッと口に出した諒介。その言葉は意外にもランの心に突き刺さった。
「うっ・・・、悪かったよ、杏子。言いすぎた」
「じゃあ、一緒に解決策を考えてよっ!!」
「え、いや、だからそれは・・・!」
また口喧嘩になりそうになる二人。
「おい、杏子、いい加減にしろ」
「あっ・・・」
諒介の威圧的な目と声を目の当たりにした、杏子の顔色がどんどん、青くなっていく。
「いいか?探偵は仲違いした相手を、仲良くさせるのが仕事じゃねぇよ。あくまで俺達は金銭が発生している分の、仕事をするだけだ」
「で、でもっ!」
「無関係のお前が、首突っ込んでもなんの解決にもならねぇっつってんだよ!」
反論しようとした杏子は諒介にぎろりとにらまれた。そして、諒介の言葉が正論なだけに何も言い返せない。
「それも、そうだね・・・!」
「・・・ったく、ほら帰るぞ!」
諒介に言われたが、まだ杏子は依然、モヤモヤしたまんまだ。
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