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「年下に言いくるめられてるとか、マジで笑える!!」
諒介とランは腹を抱えてゲラゲラと笑う。それを見て、美琴が二人が自分の話を聞いていないと判断し、顔を膨らませた。
「ちょっとー!?聞いてる!?」
「あ?あぁ・・・なんだっけ」
諒介は笑いすぎて目に浮かんだ涙を、拭き取りながら美琴を見下ろす。
「だからー、私を杏子の代わりに雇ってって言っているの!!」
「ぶっ、クククク。諒介、この子も大概だな」
ランは何が面白いのか、クスクスと笑い続ける。それにつられて諒介もまた、笑い出す。諒介とランの二人がなぜ、笑っているのか分からず、杏子と美琴はポカンとして様子を見守った。
「な、何が面白いのっ!?」
耐えきれなくなった美琴の怒号が、探偵社に響く。
「では、僕が教えてあげよう」
「お?できんのか?」
恭しい態度で一歩前に出たランを、諒介が茶化す。
杏子と美琴はいまだにポカンとしている。
「君、そんな事思っていないだろ?」
「はぁ?え、なんなの?」
ランから出てきた言葉が衝撃的で、杏子はとなりにいるはずの美琴に、視線を向ける。すると、美琴は熟したトマトより赤く、頬が染まっていた。
「え、えぇ?どういうこと?」
ランの言葉にも驚いたが、美琴が赤くなる理由もわからない。
「君はただ杏子の手伝いがしたかったんだよね?」
「なんで?美琴ちゃんがそんな事すんの?」
「・・・小豆を助けてくれたから」
杏子の言葉に被せるように言ってきた、そのか細い声はちゃんと三人の耳に届いた。
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