1,探偵の日常

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「とりあえず、もう少し探してみるか。あの犬どこかほっつき歩いてるかもしんないし」 「ねぇ、あれ」 諒介がそう提案した途端、ランが道の向こうを指差す。諒介と杏子はその指した方向に目を向けると、依頼人にもらった写真と同じゴールデンレトリバーが、道を塞ぐようにしてこちらを眺めている。 「小豆っ!!」 杏子が叫ぶと小豆は、逃げるように走り去った。諒介達があわただしく小豆を、追いかけ走る。小豆は住宅街を縦横無尽で走り、諒介達は追いかけるのがやっとだ。 「諒介、挟み撃ちにしよう!僕はこっちにいくよ!!」 「おう!ラン、よろしくなっ!」 ランが先回りするため、諒介と杏子とは別の道に入っていく。諒介と杏子は小豆を見失わないように追いかけ続ける。途中、間に合わなかったランが脇道から合流してきた。 「ごめん、間に合わなかったっ・・!!」 「んなこと、後でいいから!」 ランが息を切らしながら謝るが、諒介は小豆を諦められず、追いかける。ランと杏子が、諒介の後ろについて行く。 「オリャァアア!!」 「えっ!?」 杏子とランの目の前で、諒介が突き飛ばされた。突き飛ばしたのは三、四人の小学生。そのなかには、ランとぶつかった少年もいた。 「いってぇ!何すんだよ!?」 「ダイスケは渡さないぞ!!」 「ダイスケ?」 小学生達は親の敵とでもいうように、諒介達を睨み付ける。当然、杏子の質問には答えない。諒介は起き上がって、服に着いた砂ぼこりを手で払い落とす。 「なるほどな、小豆はお前らが匿っていたのか」 諒介の言葉に、小学生達に同様が走る。諒介は小学生達にまだ何か言おうとするが、ランが手で制す。 「君達はダイスケがどこに行くか、知っているはずだ。教えてくれないか?」 「え、そこにいるじゃん」 「「「はぁ?」」」 一人の小学生の言葉に、諒介達はキョトンとする。その反応を見て、小学生達もキョトンとする。話が噛み合っていない。 「え?どういうこと?小豆、まだそこら辺にいるの?」 訳がわからず、三人は小学生に背を向けてヒソヒソと話始める。 「いや、見たところどこにもいない」 「じゃあ、小豆を逃がすための時間稼ぎか?」 「おい、諒介!下っ!」 「は?」 うつむいて考え込んでいたランが、いきなり大声をあげた。
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