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次の日、杏子は道端にしゃがみこんでいる乾佐の娘を見つけた。
「何・・・してるの?」
おそるおそる声をかけるが、娘は杏子の顔を見てまたすぐに、下を向いてしまった。だか、杏子はめげずに娘と話をしようと、肩を軽く叩いた。
「ねぇ、何してるの?」
「小豆がここに来るかも、しれないから・・・」
「え?でも、小豆の捜索はあなたがやめたいって・・・」
「あれはっ!!違うの、私そんな事・・・!!」
今にも泣きそうな娘の頭を、杏子が撫でる。だか、娘はすぐに涙を、ぬぐって勢いよく 立ち上がる。杏子が娘の行動に呆然としていると、娘にキッと睨み付けられた。
「私を探偵社に連れてって!?」
「は?」
「だーかーら!私を探偵社に連れてけって言ってるの!!意味わかる!?」
「は、いや、なんで?」
「そんなの決まってんじゃんっ!あんた、バカなの!?」
娘は眉間のシワを緩め、不敵な笑顔を杏子に向ける。バカ発言にはさすがに、杏子も腹が立ったが娘の不敵な笑顔ですべて吹っ飛んだ。
「小豆の再捜索を依頼するの!!」
「・・・ですよねぇ~」
娘の言いたいことは分かるが、何故か嫌な予感しかしない、杏子であった。
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