読者の「あなた」が主人公の小説 欲望迷宮

欲望迷宮

扉を開けて進んで行くと、そこはただ壁で囲まれた部屋だ。正面と左右に扉はない。
「先程得たものを失い、更にその半分を失う。」と書かれた赤い扉だけがあり、戻ることはできるようだ。

暫くすると、石と石が擦れる大きな音と振動があり、部屋が突然動き出す。
先程入って来た扉も消えてしまった。
青空が見えた上部は轟音と共に徐々に覆われていき、やがて暗闇へと包まれてしまった。