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出発するまでにはまだ時間があった。
ぼくらは駅から一番近いファミレスに寄って、最後の夕食を食べようとしている。
「西洋わさびさん、注文決まりましたか」
ゾンビールさんがぼくにそう聞いてくれる。
「はい、包み焼ハンバーグにします」
そう答えると、ぼくは自分の横に座ったミルクパンさんの様子を窺った。彼女はまだメニューを真剣に読み込んでいる。
誰も彼女を急がせようとはしなかった。
最後くらいは、たとえファミレスの限られたメニューの中からだとしても、自分の本当に食べたいものを選べば良いのだ。
ぼくらはたくさん我慢を重ねてきたのだから、それくらい許されるはず。
彼女はメニュー表から視線を上げて、他の三人を見渡した。
「はい、決まりました。デラックスプリンパフェにします」
彼女は、迷いの無い声でそう宣言した。
それを、ひとりで食べる気なのだろうか?かなり量が多いぞ。
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