プロローグ

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ここは孤児院だ、もちろん親は居ない。 まあそもそも、顔も知らない。でも、ここではよくあることだ。 神父さんが自分の親?  そんなことを言うつもりはない。 しかしありがたいことに、この孤児院は賑やかだ。 それは本来、喜ばしいことではないだろう。でもおかげで大分助かっている。 この世界には、ステータスと言うものがある。 15歳になると開けるようになる。 初めてステータスを開いたとき、俺は子供ながらに捨てられた理由を悟った。 自分でしか見れないことが唯一の救いだ。 まあでもよく3年もバレないもんだ。 その時から3年、灰色の世界を見続けている気分だ。 一言で言うならば。冷めた、とにかく冷めた。  微動だにしない現実、当たり前な現実から冷めたのだ。 そして今、その現実に飽きた。 飽き飽きした 孤児院から出れない訳じゃない。 外に出ても、場所以外何が変わる訳でもないことが分かっているだけだ。 でも「出たいなあ、まあでも行く宛もないけどな」 何度めかも分からない言葉をはく。 ズガァァァァアァァンッ!!! そんな俺の言葉に帰ってきたのは、爆音と広間の扉。 そして土ぼこりのなかたなびく金髪だった。
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