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ズガアアアアアアンッ!!!
広間で遊んでいた子供たちのなかで、状況を一番理解しているのは俺のようだ。
他のみんなは、いきなり飛んできた。いや飛来した扉に驚き、頭を抱えて震えている。
だから誰も、扉があるはずだった所に
金髪の幼女が立っていることにはきずいていないだろう。
俺は読んでいた本を椅子に置き、とりあえずこう聞いてみた。
「な、なにかご用でしょうか?」
我ながら、間抜けではあるが的確な質問だと思う。
逆に、この状態ほかになんと答えれば良いのだろうか。
金髪の幼女は少し笑みをこぼしてこう言った。
「人探しよ、と言ってももう見つかったけど」
普通に答えてくれた。
人は見かけに寄らないものだ。
行きなりドアを蹴破った、金髪ロリが話の通じる相手だとは。
生まれたての小鹿状態から最初に解放された(俺を除く)神父さんが立ち上がった。
「ど、どなたをお探しでしょうか?」
「知らないわ」
「名前や容姿の特徴などは、どうでしょうか?」
「知らないわよ、私はただ強そうな匂いを辿ってきただけだから」
誰だこいつを、話の通じる相手だとかいったやつは。
意味がわからん。
そんなことを考えていると、金髪ロリがこっちに近づいてきた。
まっすぐに、一直線に俺の方え歩いてくる。
「あなた、私のパートナーになりなさい!」
「はあ?」
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