1281人が本棚に入れています
本棚に追加
「そうですね……またこんな事にならないように気をつけます……」
介護されてるとは言い、まだフラフラするな……今にも倒れてしまいそうだ。
視界が揺れるが必死に肩に掴まり耐えている
「危なっ!す、すいません……肩まで貸してもらっているのに……!」
俺は思わず女性に声をかけた
「あぅ……!!うぅっ」
俺がフラフラしてるんじゃない、女性が震えているのか?
シュールな光景だが産まれた子鹿の様にプルプルしながら肩を組む2人が立っていた
「ひぁっ……うぅっ!身体が熱いよぉ……」
思わず女性から腕を離す、なんとか倒れずに立っていられた。
俺とは対照的に女性は膝を着き、正に産まれたての子鹿の様に四つん這いに地面に崩れ落ちた。
「え……!大丈夫ですか!どうしました!?」
女性は小刻みに震えていた
「あぅっ……私……へんに……なりそぉ……」
なんだ!?なんかヤバイ……
助け呼んだ方が良さそうだよな!
キョロキョロと周りを見渡すと、どうやら此処は一本の路地裏になっている様だった、とりあえず道に出れば誰かいるかもしれない!
「ちょっと待ってて!誰か呼んでくるから!」
フラフラしながらも道に向かって歩き出す
頭割れそうだが……少しマシになってきている……何とか行けそうだ。
ようやく道と言える場所に抜け出すと、人を探して行く。
「いた!す、すいません!路地裏に体調が悪い女性がいるので、一緒に助けてもらってもいいですか!?」
2人の女性は首を傾げると、俺の指差す方向に視線を移していた。
「リム行こう!あそこの路地裏みたい!!」
そう言うと高校生ぐらいの女性が走り出す
「待ってよアリスぅ~!」
後を追うようにリムと呼ばれた女性も駆け出して行く。
俺はフラフラと元の場所に辿り着くと、2人に抱えられる様に地面にヘタリ込む女性に視線をやる
「ササラ先輩!大丈夫ですか!」
アリスと呼ばれていた女性が、先ほどの女性に声をかけている
先程の優しい女性は、ササラと言うらしい。
最初のコメントを投稿しよう!