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第10章 三年後(つづき)
「でもさぁ、あのちょっと甘えた上目遣いは、必殺だわ。
なんていうか、ウチは英美里が、おしゃまじゃない?
あの年にしては、口も達者だし。
その分、ユウくんのあどけなさが可愛くてさぁ。
それで、あの眼差しで『○○していい?』なんて言われたら、
もう、『いいよ、いいよ。何でもして!』ってなっちゃうもん」
確かに、遺伝子なのか、単に真似ているのかは分からないが
彼らの行動は、よく似ている。
その上、目元が似ているだけに、
優喜の眼差しは、時として冠くんを彷彿させるのも事実。
そして、そんな彼から、ふと視線を戻した彼女にサラッと聞かれた。
「夏海たち、二人目は?」
しかしそれに私は、ちょっと首を傾げただけ。
「うぅーん、自然任せかな」
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