第10章 三年後(つづき)

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それだけに、彼女の妊娠が分かって半年足らずは、 今までのようにいっぱいエッチもできないし、 正直、僕は、自分の欲との葛藤に、かなり苦労をした。 だが、彼女のお腹が徐々に大きくなってくると、 その欲は、少しずつ新たな家族への情へと姿を変え、 いつしか生まれてくる我が子を待ちわびるようにもなった。 だが、いざ生まれてくると、 その誕生の感動と同時に、僕は、思いがけないショックに襲われた。 僕は今でも、初めて優喜が彼女の乳首を吸っている光景を 目にした時の衝撃を、はっきりと思い出せる。 もちろん、息子にそんな嫉妬まがいの感情を抱くなど情けないとも思う。 だがこれだけは、彼女に惚れている男の本能。 どうしようもなかった。
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