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「そうかもね。でも、千奈美に好かれるとすごいよ。
知ってるでしょ? 彼女のエネルギッシュさ。頑張って、冠くん」
そして、「フフッ……」と細く笑いが零れ出る。
だがその目の前で、彼は、ちょっと不満と不安の上目遣いになった。
「ナッちゃんは?」
「んん?」
「ナッちゃんは、僕のどこが好きになったの?」
私は、そんな彼をまっすぐに見返した。
彼と出会って、互いに恋に落ちて。
それぞれ色々な事があったけれど、乗り越え、支え合って。
そして結婚をして、可愛い家族も授かった。
だが、どんな時も彼は真っ直ぐに私だけを見詰めて、
私だけを一心に愛してくれる。
そんな彼の想いに引っ張られ、いつしか私も彼を真っ直ぐ愛していた。
そして、この互いの想いは、これからも変わらないだろう。
だから、
「前に好きになったところも、新たに好きなところも、いっぱいあるわよ。
でもね……」
ちょっと言葉を切って、私は彼に微笑んだ。
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