第10章 三年後(つづき)

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「そうかもね。でも、千奈美に好かれるとすごいよ。 知ってるでしょ?  彼女のエネルギッシュさ。頑張って、冠くん」 そして、「フフッ……」と細く笑いが零れ出る。 だがその目の前で、彼は、ちょっと不満と不安の上目遣いになった。 「ナッちゃんは?」 「んん?」 「ナッちゃんは、僕のどこが好きになったの?」 私は、そんな彼をまっすぐに見返した。 彼と出会って、互いに恋に落ちて。 それぞれ色々な事があったけれど、乗り越え、支え合って。 そして結婚をして、可愛い家族も授かった。 だが、どんな時も彼は真っ直ぐに私だけを見詰めて、 私だけを一心に愛してくれる。 そんな彼の想いに引っ張られ、いつしか私も彼を真っ直ぐ愛していた。 そして、この互いの想いは、これからも変わらないだろう。 だから、 「前に好きになったところも、新たに好きなところも、いっぱいあるわよ。 でもね……」 ちょっと言葉を切って、私は彼に微笑んだ。
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