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「やっぱりすごく惹かれて、今でも大好きなのは、冠くんの笑顔」
笑顔……。
呟いた彼の顔に、大好きなスマイルが広がっていく。
「ナッちゃん」
「ん?」
「大好き」
「フフッ。私も、大好き」
そして、人の姿がない公園で、私たちは自然と互いの顔を近づける。
チュッ、と小さく唇が重なった。
しかしこれを、ちゃんと見ていた目があった。
「あああっ!」
不服そうな優喜の声に、私たちは、同時に彼を振り向く。
その視線の向こうから、小さな息子が拗ねた面持ちで
パタパタと駆け寄ってくる。
「ぼくもぉ!」
そして、駆け寄ってきた彼を、冠くんが私たちの間に抱え上げた。
「僕も、何?」
父親の顔になった彼が、よく似た目をした息子に尋ねる。
「ぼくも、チューしるぅ!」
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