第10章 三年後(つづき)

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「やっぱりすごく惹かれて、今でも大好きなのは、冠くんの笑顔」 笑顔……。 呟いた彼の顔に、大好きなスマイルが広がっていく。 「ナッちゃん」 「ん?」 「大好き」 「フフッ。私も、大好き」 そして、人の姿がない公園で、私たちは自然と互いの顔を近づける。 チュッ、と小さく唇が重なった。 しかしこれを、ちゃんと見ていた目があった。 「あああっ!」 不服そうな優喜の声に、私たちは、同時に彼を振り向く。 その視線の向こうから、小さな息子が拗ねた面持ちで パタパタと駆け寄ってくる。 「ぼくもぉ!」 そして、駆け寄ってきた彼を、冠くんが私たちの間に抱え上げた。 「僕も、何?」 父親の顔になった彼が、よく似た目をした息子に尋ねる。 「ぼくも、チューしるぅ!」
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