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大好きな絵本を読み終え、比較的すんなりと眠りに付いてくれた
息子の部屋をそっと出て、僕は、彼女の待つ寝室のベッドに滑り込んだ。
「何か、あった?」
ベッドのヘッドボードにもたれ掛り、雑誌を読みながら待っていてくれた
彼女の頬に小さくキスをして、柔らかな彼女を、雑誌ごとそっと抱きしめる。
「あのね、来月の『お泊り保育』の日なんだけど……」
うん?
言い掛けた僕の腕の中から不思議そうな顔で見上げられ、
ちょっとだけ気恥ずかしくなる。
それでも僕は、少しだけ彼女を抱き寄せ言ってみた。
「ナッちゃん、お休み取れない?」
すると、ほんのわずか間をおいて、僕の胸に顔を伏せて彼女が細く笑った。
フフッ……。
そして、再び、ゆっくりと僕を見上げてニッコリと微笑む。
「仲良くしたい?」
言われて僕は、少し腕を緩めて視線を落とす。
「だって、ナッちゃんを、一日中、独占出来るの久しぶりだし……」
言葉尻を濁した僕の頬を、彼女の細い手がそっと包んで、再び細く笑う。
そして、
「じゃあ、冠くんも、お休み取ってくれる?」
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