14人が本棚に入れています
本棚に追加
「ナッちゃん、会議はどうだった?」
駅へと向かいながら、スヤスヤと眠る優喜を抱いた彼に尋ねられる。
そんな彼を見上げて、私は微笑んだ。
「うん、今回はバッチリ。
プレゼンも上手くいったし、私たちの企画が採用になったよ。
冠くんは?」
「僕は、順調に進んでいるものの単なる報告だから。
でも、ちょっと順調過ぎたみたい」
淡く浮かんだ彼の苦笑が、小さく俯く。
「何かトラブル?」
尋ねると、どうやら彼の新しいソフト制作が順調なだけに
別の人の助っ人も頼まれてしまったらしい。
「まぁ、時間がないわけじゃないからいいんだけど。
でもそれなら僕は、ナッちゃんや優喜と一緒のほうがいいなって思うし」
やっぱり彼は、どこか不満そう。
最初のコメントを投稿しよう!