第10章 三年後(つづき)

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「ナッちゃん、会議はどうだった?」 駅へと向かいながら、スヤスヤと眠る優喜を抱いた彼に尋ねられる。 そんな彼を見上げて、私は微笑んだ。 「うん、今回はバッチリ。 プレゼンも上手くいったし、私たちの企画が採用になったよ。 冠くんは?」 「僕は、順調に進んでいるものの単なる報告だから。 でも、ちょっと順調過ぎたみたい」 淡く浮かんだ彼の苦笑が、小さく俯く。 「何かトラブル?」 尋ねると、どうやら彼の新しいソフト制作が順調なだけに 別の人の助っ人も頼まれてしまったらしい。 「まぁ、時間がないわけじゃないからいいんだけど。 でもそれなら僕は、ナッちゃんや優喜と一緒のほうがいいなって思うし」 やっぱり彼は、どこか不満そう。
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