番外編  独り占め記念日

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「あぁ、幸せ」 後ろから私をキュッと抱きしめた彼が、 ピッタリと頬を寄せて、しみじみと言う。 「こんな風にナッちゃんとくっ付けたの、ホント何年ぶりだろう」 以前のように、リビングのソファの前でラグの上に腰を下ろし、 膝の間に私を抱きかかえて、ほぉっと、彼が溜息をもらす。 しかし私は、そんな彼に思わず苦笑が零れ出た。 「何年ぶりは、ちょっと大袈裟じゃない?」 しかし彼は、少し不満げに寄せていた頬を離す。 「そんな事ないよ。 だって、優喜が生まれてからは、 前みたいに、ゆっくりナッちゃんにくっ付けなくなったもん」 「そおぉ? でもエッチだって、ほとんど毎週してるでしょ?」 「それと、これとは別」 「何が?」 なんだか、どんどん彼が拗ねた子供のようになっていくのが 妙に、おかしい。
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