13人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
「あぁ、幸せ」
後ろから私をキュッと抱きしめた彼が、
ピッタリと頬を寄せて、しみじみと言う。
「こんな風にナッちゃんとくっ付けたの、ホント何年ぶりだろう」
以前のように、リビングのソファの前でラグの上に腰を下ろし、
膝の間に私を抱きかかえて、ほぉっと、彼が溜息をもらす。
しかし私は、そんな彼に思わず苦笑が零れ出た。
「何年ぶりは、ちょっと大袈裟じゃない?」
しかし彼は、少し不満げに寄せていた頬を離す。
「そんな事ないよ。
だって、優喜が生まれてからは、
前みたいに、ゆっくりナッちゃんにくっ付けなくなったもん」
「そおぉ? でもエッチだって、ほとんど毎週してるでしょ?」
「それと、これとは別」
「何が?」
なんだか、どんどん彼が拗ねた子供のようになっていくのが
妙に、おかしい。
最初のコメントを投稿しよう!