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「でもそれは、あと二回しかないでしょ?」
「それなら、これから結婚記念日は、必ず二人だけになるようにする?」
「だけど、それだと一年に一回だけでしょ? 全然、足らない」
ふぅ……。
困ったイヤイヤ坊やになった彼に、私は、細く溜息をついて
小さくキスをした。
「困ったね。じゃあ、冠くんは、どれくらいなら満足なの?」
すると、ちょっと視線を落とした彼が、再び上目遣いに戻ってくる。
「せめて、月に一回くらいナッちゃんを独り占めしたい」
うぅーん。
彼の気持ちも分かるが、もう唸るしかなかった。
だが、少し眉尻を下げた私の唇に、今度は彼が小さくキスをしてきた。
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